悲しみを消そうとしない理由

家族ぐるみでお付き合いのあったSさんの命日が近づいてきました。

妻の元上司で、厳しい人でしたが、その厳しさの陰には人を大切に思う優しい心がありました。
だからこそ、妻は社会人一年生の頃、その上司のもとで毎日泣きながらがんばって、乗り越えて、十数年経った今でも慕って、家族ぐるみでお付き合いをするようになったのだと思います。

ある日突然、脳内出血で倒れて帰らぬ人となりました。もっと早くに手当てできていたらと悔やまれます。ほんとうに惜しまれる死でした。
(急すぎてヒーリングも間に合いませんでした。私自身の未熟さを自覚して、もっと励もうと決意するきっかけにもなりました)

ズバズバと本音で勝負する人でしたので敵も多かったですが、本当の優しい心根を知っている人も多くて、葬儀ではあちこちですすり泣きが起きていました。
参列した私も涙と鼻水でグチャグチャでした。

妻は喪失感がとてつもなく大きく、強かったようで、1年経ってもまだ立ち直れていないようです。

悲しみや喪失感も、その気になれば消すことは簡単です。ヒーラーですから。
でも、あえて悲しみを癒やすようなワークを行なってきませんでした。これからも行うつもりはありません。

なぜなら、悲しんで、現実をしっかりと、じっくりと受け止めていくことも大事だと思うから。
それが、Sさんへの供養でもあり、妻が悲しみを乗り越えて、深みのある人間に成長していくことにつながると信じているから。

改めてSさんのご冥福を祈りつつ、妻の悲しみに寄り添いたいと思います。

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